2012年道教節世界慶典開幕式に参加して


早島妙聴副住持道長

道家道学院副学長
一般財団法人日本タオイズム協会理事長
世界医学気功学会副主席

日本道観創設者、早島天來のもとで31年来修行をし、実地で、導引術、動功術、洗心術の修行を重ねる。日蓮宗身延山にて修行し、僧侶として教師資格を取得。1999年6月、日本道観副道長、道家 <道>学院副学長に就任。
2004年、嗣漢天師府第六十四代より道士の允可を受け、六十四代の嗣漢天師府顧問に就任。2010年、世界医学気功学会副主席に就任。
2013年、一般財団法人日本タオイズム協会設立、理事長に就任。

2012年2月24日~27日 台湾・高雄にて

道教節

 旧暦2月15日は、タオイズムの始祖である老子のお誕生日とされています。
 発起人であるシンガポール道教協会の李至旺氏の話によれば、世界のタオイストたちから、キリスト様の生誕祭はクリスマスとして世界的な祝日となっているのだから、老子様の生誕祭も道教節として祝日にし、タオイズムをもっと世界に広めようという発案があり、活動が始まったそうです。
 現在、主催となっている国々は六ヵ国・地方があり、このたびはシンガポール道教協会、インドネシアの印尼三宝壟澤海廟、東マレーシアのマレーシア巴州道教連合総会、イタリア道教協会、台湾の高雄道徳院、西マレーシアの柔佛州道教協会が主催して、今回の道教節世界慶典、開幕式が台湾の高雄道徳院にて行われました。
 2月24日に高雄に集合し、高雄道徳院の三清太乙大宗師翁太明道長と再会を喜びました。特に翁道長は震災直後、宮城県を訪問して震災の供養の儀礼をしてくださり、多額の義援金を贈ってくださったそうです。心からのお礼をお伝えし、各国の皆さんと共に、歓迎晩餐会に参加しました。25日の午前中には、高雄道徳院にて開幕式の 「道祖聖誕献敬儀式」の儀礼が行われました。

2012年2月24日~27日 台湾・高雄にて

開幕式大会

 今回の開幕式は、台湾を中心として世界各国の五百名余りを越えるタオイストが高雄に集まり、タオイストの国際交流の場となりました。開幕式の式典の後には、タオイズム普及について皆で考えるフォーラムが開催されました。
 高雄道徳院の翁道長が今回の開幕式の意義、タオイズム普及の必要性などについて熱く語られ、台湾、シンガポール、イタリアなどの代表が話をされたあと、早島妙聴も日本のタオイスト代表として、ご挨拶をさせていただきました。大震災からちょうど一年という時でもあり、またその前日の2月24日には中国四川省大震災の復興完了宣言が出されたというニュースもありました。日本も復興に向けて全国で一丸となって努力してゆく時であり、またそのためにも、人類の未来を導く哲学としてのTAOがますます必要とされてくることを話しました。そして日本道観で3月に出版する、江戸時代の「老子道徳経注釈書三部作」について話をすると、会場で大きな反響がありました。また、台湾、シンガポール、マレーシアなどの道士からは、皆で協力するので、ぜひ日本でも開幕式をしましょう、とお声をかけていただきました。あらたな未来への第一歩がここでスタートしたのです。
 その後、タオイズムの思想を広め、「老子道徳経」を普及する方法について、論文発表を醒吾技術学院の陳敏祥教授と国立高雄師範大学中文系の林文欽教授がされました。
 老子様の生誕祭に世界のタオイストが交流するという、このすばらしい催しが、ますます世界に広まることを祈りつつ、27日の朝、多くのタオイストと再会を約束して笑顔で別れました。

2012年2月24日~27日 台湾・高雄にて

時代が必要としている『老子』タオイズム

 昨年中国で行われた世界道教論壇でも、世界の人々がTAO、無為自然の道を学び、共生することが、これからの人類の未来を拓くことであるということが、開催の趣旨となっておりました。今こそ世界のタオイストが力をあわせて立ち上がり、道の無為自然の思想、老子の思想を広める時であるのです。今回の道教節でも、あわせて行なわれた学会では、老子の哲学を世界に広めるにはどうしたらよいか、ということが論題となっていました。
 どんなすばらしい哲学があっても、それを伝え広める人たちがいなければ、後世に伝わりません。日本だけでなく、これまでの記憶にないような大きな天災、災害が世界で続く中で、人類が今こそ学ぶべきものは道TAOなのです。天地自然の大原則、宇宙の大法則である、道TAOに出会い、老子を学び、天地自然の流れに沿って自然と調和することを体得し、自然に沿って生かされることこそ、人類の未来を幸せに導く唯一の道であるのです。
 人類の未来に立ちはだかるたくさんの苦難を乗り越え、世界が力をあわせて幸せに向かって力強く進むためには、道TAOを広めることこそが大事なのだということを思うと、私たちの責任は重大であります。

2012年2月24日~27日 台湾・高雄にて

江戸時代の 『老子道徳経注釈書』 復刻版の出版

 そんな時期に日本道観が江戸時代に出版された「老子道徳経」の代表的な三つの註釈本を出版することは、老子研究、タオイズムの哲学普及にとって大きな意義があることは確実です。この出版によって、また老子研究を志す人が増え、興味を持つ人が増え、道TAOの研究が進むことを心から願っております。
 また、今回の主催者であった高雄の道徳院をはじめとして、各研究者や道観に共に研究する宝として贈呈させていただくことをお伝えすると、皆さんはこの出版に大変興味を持たれて、とても喜ばれました。
 今、世界のタオイストが力をあわせ、道TAOを伝え、広め、人類の明るい未来を拓く活動を始めています。日本道観も今後一層、積極的に国内だけでなく、世界のタオイストと手を携えて、世界の方々に無為自然の道TAOを伝えてゆきたいと思います。そしてこれまでも多くの天災や人類生存の危機を乗りこえてきた私たちの先祖に学び、皆さんと手を携えて、明るい未来を拓いてゆきましょう。


日本道観副住持道長 早島妙聴

「第三回 国際道教フォーラム」発表論文  2014年11月25日

国際道教フォーラム 2011年 10月23日~25日

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